44会 ホノルルマラソンに向けて! Vol.4

ホノルルマラソンまであと4ヶ月、完歩(走)のための参考事項

1.日頃の生活

 トレーニングと共に、食事、休養も必要。体重、体脂肪率の変化をチェックする。
 栄養のバランスとして3栄養素の摂り方はたんぱく質:脂肪:炭水化物=3:3:4を目標とする。食事量は昔から言われているとおり腹八分目とする。さらにビタミン、ミネラル摂取にも気を使う。
 トレーニングでは通常の生活と比べて大量に汗をかくため、Na, Cl2, K, Ca, Mg, Fe, NH3, 尿素、乳酸等が失われる。特に鉄分不足は貧血になり、ランナーにとって重要な血液中の酸素供給に影響を及ぼす。K, Na, Ca, Mg等の不足からはふくらはぎ等の筋肉のけいれん(こむら返し)が起こりやすくなる。通常の食事でこれらのビタミン、ミネラル摂取ができることが一番いいと思う。野菜は1日バケツ一杯食べろ、と本に書いてあった。ミネラル類はどうしても不足の場合は質のいいサプリメントから摂る。
 ウォーキング、ジョギング、筋トレがトレーニングの中心だが通勤電車はできるだけ立って、つり革を使わない。駅、ビルでは階段を使い、エスカレーターでも歩く。筋肉および関節のストレッチはいつでもどこでもするように心がける。

2.トレーニング

 マラソン完歩(走)のゴールタイム目標を8時間として、日頃のトレーニングで常にペースをチェックしておくことが重要である。
大切なことは自分の実力をできるだけ正確に知ることである。それによって練習ペースを計画することができる。
 マラソン完歩(走)の秘訣は、自分の実力を知った上で、その実力を42等分し、レースの1Km毎に1/42ずつ振り分けてゴール時に燃え尽くすことである。日頃の練習とは、42.195Kmを完歩(走)する自分の実力をできるだけ正確に把握するためのものということもできる。
 完歩(走)の実力の中身としては、筋力(足だけでなく腹筋、背筋、腕等全身のバランスとして)、心肺力、体調全般(睡眠不足、二日酔い、胃もたれ、かぜ、下痢、のどの痛み等)、精神力(多少の苦しさに耐えること)、目標達成意欲(ゴールラインを必ず越えるのだという気持ち)がある。マラソンは「からだの総合科学」だと思う。これらの実力のすべてがあるレベルにあることが必要で、どれかひとつだけの項目に優れていても必ず弱い項目(ボトルネック)によってマラソンは左右されてしまう。42.195Kmという距離は不思議な距離と言えるゆえんである。
 42.195Km完歩のためのそれらの能力としては、それほど高いものは必要ではなく、毎月行っているウォーキング教室において10数Kmを10分/Kmのペースで歩くことができれば十分である。
 自分の実力を知り、実力以上のことは目指さない。無理な目標とするとそれなりの困難、かなりきつい練習が必要になり、挫折する可能性が高くなる。実力より少しだけ上に目標を設定し、その目標達成を目指すことで、マラソンゴールの感動を味わうことができると思う。
 ウォーキング(ランニング)フォームについて、基本はウォーキング教室でいつも言っているとおり、適切な腕振り(ひじ振り)によって一本線上に足を運ぶことである。姿勢は前かがみではなく多少前傾とする。 
 自分の一番気持ちのいいウォーキングフォーム、ペースを覚えておくことが大切である。本番のレースで苦しくなった時にそのフォームを思い出し、それに戻すことができれば多少楽になる。
 練習内容としては、少し早足気味のウォーキングである。時にはゆっくりペースの(息がほとんど切れない程度のスピードでの)ジョギングもいい。また筋トレも、ウォーキング(ランニング)は全身の筋肉を適切に使って、という考え方からして大切である。  トレーニングによって故障、けが、病気等にならないこと。そのためには無理をせず、気持ちよく、ある程度楽な運動強度でのトレーニングとする。時には、きつい練習(スピード走、きつい筋トレ等)もするがあくまでも自分の意思で、自分の実力をわきまえた上で、計画的に実施する。
 長い距離を歩く(走る)練習をする時、考え方として残りまだあと何Kmもあるのかとは決して考えず、もうあと何Kmしか今日はウォーキング(走り)を楽しめないのかと考える。
 歩く前、歩いた後のストレッチも重要である。ウォーミングアップ、筋肉/関節活動の準備、クールダウン、筋肉疲労の早期回復の援助等のために必要となる。
 歩いた後の筋肉、関節等のアイシングも故障を防ぐために効果大である。炎症が起こった状態をそのままにせず、冷やして炎症を早く止めておくという効果がある。
 トレーニングの記録はその内容も含めてできるだけ取っておき、もしも何か異常があった場合、不調が発生した際参考にして修正するための参考とすることができる。
 健康を維持、増進できるという成果、レースでのタイムは日頃の適切なトレーニングの結果の何者でもない。

3. トレーニングまたはレースでの意外な注意事項

 足の爪への注意。

 自分の足によく合ったランニングシューズを選ぶことがまず重要であるがさらに爪の手入れも大切である。レース前は、2週間前に爪を切る。1週間前に再チェックをしてもう一度手入れをするようする。1週間前に切ると、万が一深爪、切りすぎた場合、レースまでに間に合わないことがある。2週間前ならば少し伸びて修正ができる。

 靴ずれ、股ずれ、衣ずれへの注意。

 すれる箇所にすべてワセリンを塗っておくことで防げる。スポーツ用に皮膚感覚で足全体に塗るようなムースタイプのものも市販されていてかなり効果がある。衣ずれについて特に注意すべき箇所として乳首がある。女性のみでなく、男性の場合も42Kmも歩く(走る)と、ランニングシャツと乳首がこすれて血が出るほどになる。必ず予防策を講じることが必要である。

以 上
2010.8.1 上泉義朗