特別企画「みちのくの自然と歴史をたずねて」Vol.8

○日 程:2024年10月9日(水)~10日(木)
○行 先:福島県福島市 高湯温泉
○宿泊先:天空の湯宿 花月ハイランドホテル
○参加者 17名:
     磯貝達男、金丸康孝、川島芳子、小林篤、杉本恭子、
     田伏純子、塚本重美、中島直樹、野田進、芳賀直行、
     早川明、藤江賢治、堀口修、丸山明比古、三田富貴子、
     峯川文江、山田和美


Photo by N.Haga ... more

 今年の東北旅行は、4年前に大学の同級生と行って景色が印象に残った「天空の宿」の高湯温泉の「花月ハイランドホテル」に決めた。
 福島駅は第2回、第3回の旅行でも訪れており、観光をどこにするのかが一番の悩みであった。YouTubeなどで近くの観光地を調べると、磐梯吾妻スカイラインを通り浄土平・吾妻小富士が、素晴らしい景色と火口散策が出来るとの動画があり、紅葉の時期はさらに美しいとの情報であった。ただ移動方法が貸切バスしか無く、旅行社に依頼すると7時間の使用で9万円とのことで二の足を踏んでいた。丸山さんに相談すると、最近では順当な値段で皆の移動もスムーズに出来るのではとアドバイスを頂き決定した。
 さて当日は17名の大所帯でトラブル必至と思われたが、待ち合わせ場所には全員が時間通り到着して出発となった。今回は新幹線やまびこ号で福島駅までの2時間弱の旅なので席に座り次第、朝から乾杯となった。福島駅に着くと第3回の旅行でもお世話になったドイツ料理の「ローゼンケラー」に行き、ランチの「ハッシュドビーフライス」とビールで再度乾杯となる。食後は福島市内の福島稲荷神社に参拝する。ここは昔、安倍晴明が勧請したという由緒ある神社で、今週末が例祭となっており山車が出るようだ。
 送迎バスが出る西口駅前に行くと、早くもバスが来ていて乗り込むと他のお客様は一人のみで貸切状態となる。バスはひたすら山道を上り、海抜780mの「花月ハイランドホテル」に到着。部屋割りは幹事部屋が野田、磯貝、丸山、芳賀、早川で次の部屋に金丸、小林、藤江、堀口、中島となり、女性は4人部屋が峯川、川島、杉本、田伏で3人部屋が山田、三田、塚本となった。
 部屋に入ると、幹事部屋は角部屋で眺望がよく広い窓からは福島市内が一望できる絶景で、おまけに全自動マッサージ椅子が常備されている豪華さだ。次の部屋は広さこそ同じだが何もない部屋で、様子を見に来た藤江君は「幹事部屋ばかり豪華でずるい!図ったな!」と文句を言っていた。
 早速大浴場に行くと、白濁した弱酸性泉で入ると薬効成分が沁みてくるようで気持ちが良い。少し離れた露天風呂にも入り、夕食は個室で御膳が出ており、ビールで乾杯して宴会となる。松茸の土瓶蒸し、牛肉朴葉焼、鮑の酒蒸しなど豪華料理である。席は女性が片側の席に陣取り、男性席とお見合い状態となった。
 食事を終えて恒例の花火をしようと外の気温を調べると、10℃内外の寒さで皆着込んで外の駐車場に集まり、藤江君が用意した花火を楽しんだ。花火を終えて幹事部屋に集まり部屋飲み会となる。来年の旅行候補地や政治問題、移民問題など多様な問題を討議して、部屋に帰る。
 翌日は昨夕と同じ個室で朝食をとり、玄関で記念写真を撮って貸切バスで出発となる。天気は曇りで雲が低く垂れこめていたので、1600mにある浄土平は雲海が見られると期待していたのだが、近づくにつれて濃い霧(雲?)に覆われて、到着すると全く景色は見えず、天候の回復も期待薄の状態となった。バスの外も真っ白でくねくねと曲がった道を上ってきたので、一部の人は車酔いの状態になった人もいた。
 協議の結果、頼んである弁当を持って飯坂にある道の駅に行き、弁当を食べようということになり、浄土平を後にして出発してお昼近くに「道の駅ふくしま」に到着。外の座席を借りてお弁当とビールを頂いた。次の観光地を運転手の方に聞くと、近くに「中野不動尊」というところがあり、評判がいいとのことで決定。
 ここは「日本三不動」の一つと言われ、開かれてから八百三十余年になるとのこと。境内には修行者が心身を清めた不動の滝と参拝コースの洞窟めぐりがあり、洞窟の中には不動明王の眷属の三十六童子が祀られており、一周10分弱で回ることが出来る。ここで私はおみくじを引くとなんと「大吉」、解説は、「思うがままになる運で、何事にも心静かに他人とよく相談してことをなさい。」旅行の欄には、「出発は吉日をえらべ」とあった。その通りだと感心した。
 つぎは「医王寺」に行く。ここは826年に弘法大師作の薬師如来像を勧請し、草庵を建てたことに始まる。義経の家来の佐藤継信、忠信の墓があり、4年前にも訪れた。ここで芳賀君がその時の写真を見せて、思い出話に花が咲いた。旅行も回を重ねるとこのようなことも起こるのだと感心した。ここは松尾芭蕉も訪れた寺で、「笈も太刀も五月にかざれ紙幟」という句が奥の細道に残されている。
 次に朝ドラで3年前に放送された「エール」の主人公の古関裕而記念館に行く。高校卒業までの19年間を福島市で過ごし、「長崎の鐘」「君の名は」「オリンピックマーチ」などの親しみ深い曲を作った作曲家である。2階の常設展示室には自筆譜やレコード、自筆のスケッチなどゆかりの品々が展示され、1階のスクリーンでは曲に纏わるイベントのVTRが流れて楽しむことが出来た。
 ここで予定は全て終わり福島駅に戻り時間があったので、「コラッセふくしま」というビルに入り展望室から市内の眺望を眺めてゆっくりした。ここで全ての収支を計算すると、残金が8万2千円ほどあり、追加のバス代の請求を足しても前回の繰越金を入れれば、全員に5千円のキャッシュバックが出来ると思い、皆さんにお返しすると思いがけない幸運に顔がほころび、旅の疲れも半減したと思う。
 帰りの新幹線の席はくじ引きで決めたが、力関係で席の譲り合いがあり和気あいあいの帰路を楽しんだと思う。18時24分東京駅に到着して解散となった。

Report by S.Noda